日本特有の「メインバンク制」の影響

【唐鎌】正社員の数は以前より減ったとはいえ、全体の中ではまだ大きな割合を占めています。それにもかかわらず、国全体の賃金が伸び悩んでいるということは、正社員であっても、賃金の伸びが十分ではないということですね。なぜ、日本において名目賃金、ひいては実質賃金の伸びが冴えないのか。気になっている読者は多いと思います。

【河野】そうですね。なぜ日本の長期雇用制が定着し、なぜ今もそれが存続しているのかが、この話のポイントになると思います。ただ、正社員の数が以前に比べて減っているかと言われると、ここは意見が分かれると思います。

たしかに就職氷河期世代が就職する際は正社員の採用が絞り込まれ、同時に90年代以降は大学進学率が大きく上がって、皆が正社員になれたわけではないという部分もあります。