iPhoneの形は初代からすでに完成していた
スカリーさんは「continuity」という言葉を使って、「彼は日本文化から時代を超えた価値や物事には理由があることを学びました」と答えた。「continuity」とは、「連続」とか「継続」という意味だ。僕は、この言葉は、ジョブズを理解するための重要なキーワードの一つだと思う。
ジョブズの自伝では、アップルの経営のあり方について、「長続きする会社(a company that will last)」とか「永続的な会社(a lasting company)」という言葉が出てくる。「continuity」も「last」も、時間の経過に伴って長続きする、という意味だ。
ジョブズは、信楽焼の壺の肩のなだらかなカーブをなでながら、「私の製品にもそれと似た感触をもたせたい」と言った。それは、何世紀も前から作られてきたデザインを取り込みたいという彼の美意識を示すものだった。
使い心地の良いデザインというのは長持ちし、永続的に使われ、やがて、伝統的な形になる。ジョブズが探していたのは、手触りの良い究極のデザインだった。iPhoneの形が、2007年のデビュー以来、基本的に大きく変わっていないのは、それを象徴していると思うのだ。


