紙とペンだけでできる最強のメンタルケア
ペネベイカーたちは、短いエッセイを4日連続で書かせるという実験も行っている。その結果、心の傷になるような衝撃的な出来事にまつわる気持ちを書いた人は、取るに足らない事柄を書いた人と比べて、その後の6週間に病気のために健康管理センターを訪れることが少ないことがわかった。
慢性関節リウマチ患者や喘息患者に筆記による自己開示をさせる臨床的介入実験でも、どちらの患者の症状も著しく改善したことが報告されている。心身に臨床的な問題を抱える人々を対象に行われた、筆記による自己開示の効果に関する多くの実験でも、筆記により自分の感情を開示することが症状を改善する効果をもつことが確認されている。
このように、自分の経験やそれにまつわる思いを書き記すことで、カタルシス効果によって気分がスッキリしたり、自己明確化効果によって感情に巻き込まれず冷静に自分を見つめられるようになったりする。
その結果、ストレスが緩和され、心の健康が保たれやすいことがわかっている。したがって、裏表人間によるストレスを軽減するためにも、気になることを遠慮なく話せる相手をもつことが大切である。そうした相手がいない場合には、筆記開示によってストレスを軽減できることは覚えておきたい。



