日本人の「清潔の常識」を変えた一言
気づかせるデザインの代表的な例が、1982年(昭和57年)のTOTOの広告コピーです。コピーライターの仲畑貴志さんによる名作――「おしりだって、洗ってほしい。」は、当時、温水洗浄便座という言葉すら知られていなかった時代に、この一行が日本人の“清潔の常識”を変えました。
仲畑さんは、最初この製品の良さがわからず困っていたそうです。そこで、TOTOの若い技術者が青い絵の具を手に塗って、「紙で拭いてみてください」と言いました。何度拭いても、絵の具は完全には落ちません。「お尻も同じです。水で洗えば清潔になります。これは常識への挑戦なんです」と説明されて、仲畑さんは「なるほど!」と膝を打ったそうです。そして生まれたのが、このコピー。わずか十数文字の言葉が、人の行動を根本から変えたのです。
しかし、ウォシュレットがこれほどまでに日本に根づいた背景には、単なる広告の力を超えた、文化的な必然がありました。
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