ヒットすれば全店舗に広がることも
店舗限定で大ヒットになれば、全店舗に広がることもある。
また、いずれ全店舗で展開することを前提に、トライアルで数店舗限定で先出しすることもある。テストを経て、お客さんからの反響や売上データをまとめ、全国展開に向けた説明会をオーナー向けに行なって、全店舗に広げていく。
「FC会」という全国のオーナーや店舗責任者が出席する会議がある。新商品については、その場で発表して、質疑応答を受ける。全国展開が決まったら、研修会や説明会を開き、スーパーバイザーが調理の仕方などをレクチャーする。
前述のとおり、店舗限定商品はどうしてもスケールメリットが出ない。食材などは大量仕入れしたほうがコストパフォーマンスが良くなるので、その目的もあって、できれば全国展開にもっていきたい。直営だけでやっているメニューもあったが、コストパフォーマンスを考えて、いまは全国統一メニューの方向にシフトしていっている。
すべては「こってり」ありきのメニュー開発
気になるのは、可否がどういう基準で判断されているか。これはハッキリしている。
「こってりラーメンが売れるためのサイドメニューかどうか」だ。
「天下一品」はこってりラーメンが看板メニューのラーメン店であるから、そこを邪魔する品はNGなのだ。だからカレーは出せないし、九州の店舗だからといって皿うどんを出すのもNGだ。
あくまでラーメンを注文してもらって、そのプラスアルファで注文してもらえるサイドメニューを良しとしている。客単価を上げるために、単品よりも定食にしたり、トッピングを開発したりと、日々知恵を絞っている。バラバラにみえてすべてのサイドメニューがこってりラーメンに照準が合っている。一緒に食べたときの口内調味も考えて設計されているのだ。
だから、「天下一品」においてはラーメン以外のものだけを食べて帰るお客さんは基本的には存在しない構図になっている。町中華だと、たとえば、チャーハンだけ食べてラーメンは注文しない人も多いが、「天下一品」ではほぼそういうことにはならない。
現行のメニューでは、唐揚げとチャーハンだけを注文することもできるが、実際にはそういう人はほとんどいない。ほぼ全員がラーメンを食べて帰っている。
もっと言えば、「天下一品」ではラーメンだけを食べている人も非常に少ない。
これは大きな特徴だ。
なぜか何かしらのサイドメニューを注文したくなってしまう仕組みがすごい。
これは長年各店で考えてきたアイデアの結晶だ。「こってり」というすさまじい一強の商品があったからこそ、それと一緒に食べてもらえるサイドメニューを長年開発できたのだ。





