※本稿は、鈴木俊之『タイトルから考えよう』(星海社新書)の一部を再編集したものです。
AIに頼りすぎて思考停止する「バカ」
「AIでできます」という言葉は、「バカ」の象徴のような言葉です。裏を返せば「自分は結果にコミットせずにとりあえずアウトプットをサボりたいフリーライドサボリーマンです」と言っているようなもので、これほど残念な言葉はありません。
彼らは、AIを思考を深めるためのパートナーとして活用するのではなく、単に自分の作業量を減らすための「言い訳」として利用しているに過ぎません。これでは、AIを導入したところで、組織全体の生産性や創造性が向上することはなく、むしろ「思考停止」を助長し、表面的な成果しか生み出せない企業文化を形成してしまうでしょう。
ちなみに、このようなAIで何かを作ることそのもの、つまり「納品」にのみ関心が向いてる納品主義者はモテません。これは、ビジネスにおいてもプライベートにおいても、相手の感情やニーズに寄り添う想像力が決定的に欠如しているからです。モテる人というのは、相手の些細な表情の変化や言葉の裏にある意図を察し、相手が本当に求めていることを先回りして提供できる人です。
「好きなタイプは優しい人」がつまらないワケ
例えば、相手が「疲れた」と言ったときに、ただ「おつかれさま」と返すだけでなく、「何かあったの?」「ゆっくり休んでね」と、相手の感情に寄り添う言葉をかけたり、そっと飲み物を差し出したりできる人です。こうした先回りした行動は、相手の感情を想像し、それに応じた行動をデザインする「人間理解」ができている人でなければ無理でしょう。
しかし、納品主義者は、この「想像力」がありません。彼らは、相手の言葉を文字通りにしか受け取らず、その裏に隠された感情や欲求を読み取ろうとしません。
だから、好きな人のタイプを聞いたときに「好きなタイプは優しい人です」と答える人が「つまらない」と思われるのです。そこに賛否が分かれず、感情を揺さぶる要素がないからです。「優しい」というのは、あまりにも漠然とした、誰にでも当てはまるような抽象的な言葉であり、相手の想像力を刺激しません。
「へぇ、優しい人が好きなんですね」で会話が終わってしまい、そこから具体的なイメージや感情の掘り下げができないのです。

