メアジ6尾・ムロアジ4尾で3500円

この日、魚を持ち込んで調理して一緒に食べてもらうのは都内に住む50代の友人夫婦。さらに20代と50代女性、60代男性も参加するという。いずれも料理上手でよくしゃべる人たち。筆者とは20年来の付き合いになる。思ったことをはっきり言う人たちなので緊張を感じるが、安価だけど新鮮な食材で喜ばせたい。メアジを6尾、ムロアジ4尾で合計3500円だった。

まずは刺身から。メアジもムロアジもアジ科の魚特有のゼイゴが付いているので、尾にある突端から包丁を入れて切り取る。包丁を身に軽く押さえつけるとゼイゴが浮くので切りやすくなる、と上田さんに教えてもらった。皮を剥いだ身はキッチンペーパーや吸水布を押し当てて汚れを拭き取り、食べやすい厚さでそぎ切りにする。

「メアジは肉がしっかりしているね。味はアジそのもの。普通においしいよ。ムロアジはすごく太っている! イワシっぽい脂で好きだな~」

友人たちからはホッとするコメントをもらえた。刺身は合格点だったようだ。メアジは生姜醤油、ムロアジは青唐辛子醤油が合うと筆者は感じた。

写真左)メアジの刺身。マアジよりもさっぱりした味わいで食感は強め。生姜醤油が合います/写真右)ムロアジの刺身は柔らかくて少しクセがあります。青唐辛子醤油との相性がバッチリでした
筆者友人撮影
写真左)メアジの刺身。マアジよりもさっぱりした味わいで食感は強め。生姜醤油が合います/写真右)ムロアジの刺身は柔らかくて少しクセがあります。青唐辛子醤油との相性がバッチリでした

タマネギのみじん切りも薬味になる

次に塩焼き。友人宅には魚焼きグリルがないのでフライパンで焼いた。油を引いても皮は少し剥がれてしまうのは仕方ない。上田さんの「表1・裏7・表2」の法則のうち、裏を焼いている時間はフライパンにフタをして蒸し焼きにすると火が早く通る。パリッと仕上げるため、表を焼いているときはフタを外す。なお、フタがない場合はアルミホイルで代用できる。

「いいね~。メアジのほうは和がらしだけで食べるとうまいな。ムロアジはサバみたいな味がするね」

60代男性が喜んでくれた。出版業界の先輩でもあるこの人はハンターでもあり、冬場は山で鳥を撃っている。ジビエを食べ慣れているので、新鮮な天然魚が嬉しいのかもしれない。

写真左)加熱したフライパンに油をしき、皿に盛ったときに表になる側をまず軽く焼く。ときどきフライパンをゆすると皮がくっつきにくくなります/写真右)左奥から時計回りに、ムロアジの塩焼き、湯煮、メアジの湯煮、塩焼き。同時並行で食べると味の違いがわかります
筆者友人撮影
写真左)加熱したフライパンに油を引き、皿に盛ったときに表になる側をまず軽く焼く。ときどきフライパンをゆすると皮がくっつきにくくなります/写真右)左奥から時計回りに、ムロアジの塩焼き、湯煮、メアジの湯煮、塩焼き。同時並行で食べると味の違いがわかります

そして、湯煮。これは油断して失敗してしまった。メアジもムロアジも薄く切りすぎて、短時間でもうまみが流出してしまったのだ。

「パサッとした食感になっちゃったね。この薄さなら、しゃぶしゃぶぐらいの茹で加減でもよかったかも」

台所を貸してくれた友人が直言。その通りです……。なお、調味に関しては盛り上がった。調味料は醤油のみで固定して、青唐辛子、ショウガ、ネギ、タマネギのみじん切りをそれぞれ試したのだ。

「タマネギは意外だったけれどシャキシャキした食感がいいね。ネギよりもさっぱりしている」
「青唐辛子を入れすぎた。辛い!」

あれこれ話した挙げ句、特にムロアジに関しては「薬味は全部のせがうまい」という結論に達した。茹でても独特のクセは残るので、複数の薬味と一緒に食べたほうがバランスを取りやすいのかもしれない。

大人の男女6人で食べ比べを楽しめて3500円。年末年始のおいしくお得な遊び方を見つけた気がする。

メアジ6尾、ムロアジ4尾で彩られた食卓。大人6人が満足できました
筆者友人撮影
メアジ6尾、ムロアジ4尾で彩られた食卓。大人6人が満足できました
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