餌不足だけではないクマ問題の深層
2025年、日本中が「熊」の脅威に震撼した一年となりました。日本漢字能力検定協会が毎年全国から募集し発表する「今年の漢字」に、事象を象徴する一文字として「熊」が選出されたことは、その社会への衝撃の大きさを物語っています。
環境省の速報によれば、クマによる人身被害は2025年4月〜11月末までの累計で230人に達しました。これは過去最悪だった2023年度の同時期を上回るペースです。死亡者数は13人に達し、統計開始以来で最悪の年となりました。
プレジデントオンラインにおいても、このクマ問題は今年の大きな関心事の一つでした。単なる被害報告にとどまらず、人口減少による「里山」の崩壊、気象変動に伴う餌不足、そして駆除を巡る自治体への過激な抗議電話など、多角的な視点からこの問題の深層を掘り下げてきました。
クマ問題は野生動物との共生という枠組みを超え、地方自治のあり方や、都市と地方の価値観の分断という現代社会の歪みを浮き彫りにしています。
本稿では、大きな反響を呼んだ記事を軸に、私たちはこの「隣り合わせの脅威」とどう向き合っていくべきなのか、考えます。
胃袋からは人間の髪の毛や耳が…4人死亡、4人重軽傷「本州最悪の殺人熊」はなぜ人を襲ったのか
(2022年8月16日公開)
4人死亡、4人重軽傷となった本州最悪の獣害事件「十和利山熊襲撃事件」には、多数の熊が関与していた。NPO法人日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦さんは「人を殺した熊を特定できないまま、被害が拡大してしまった。自治体の対応を含めて、反省すべき点が多い」という――。<続きを読む>
TikTokで子グマへの餌付けを撮影中に、母グマが後ろから現れ…自然をナメた「迷惑観光客」が辿った末路
(2025年11月26日公開)
今年度クマに襲われて死亡した人は13人にのぼり、過去最多の被害となっている(11月17日時点、環境省まとめ)。クマ問題を取材するライターの中野タツヤさんは「クマは『餌付け』によって人間を恐れなくなり、襲ってくる危険性が高まる。特に『迷惑観光客』による餌付け行為が世界的に問題視されている」という――。<続きを読む>
遺体の両目は飛び出し、顔面はグジャグジャ…札幌に現れ、幼児含む4人を食い荒らした「最悪の殺人グマ」の正体
(2025年11月2日公開)
人間を襲う凶暴なクマにはどのような特徴があるのか。ノンフィクション作家・人喰い熊評論家の中山茂大さんは「何らかの理由で冬ごもりしない『穴持たず』と呼ばれる個体には、注意したほうがいい。明治時代の北海道で死者4人、負傷者1人を出した『札幌丘珠事件』(以下、丘珠ヒグマ事件)は、『穴持たず』による熊害とされている」という――。<続きを読む>




