なぜAIが一員のチームは成功するのか

タイニーチーム成功の背景には、AI時代特有のデータ駆動型成長エンジン――「AIフライホイールモデル(以降、日本で親しまれている『AIぐるぐるモデル』と呼ぶ)」がある。

ユーザーが増えるほど「データ」が集まる。それをAIが学習し「プロダクト」が進化する。その魅力が多くの「ユーザー」を惹きつけ、さらに「データ」が集まる。この自己強化の循環が、Cognition AIやAnysphereといった新興企業の急成長を押し上げているのだ。

しかし『そして僕たちは、組織を進化させていく』の目的は、この「市場のAIぐるぐるモデル」を詳解することではない。この市場の循環を下支えする、もうひとつの循環――「組織のAIぐるぐるモデル」こそ、筆者が明らかにしたい核心である。少人数のチームがいかにAIと協働し、やる気や知識をどのように循環させるか。その秘密を解き明かすことが、ここから先のテーマとなる。