6月になると、勤務先から「住民税決定通知書」が届く。ファイナンシャルプランナーの内田英子さんは「これを放置してはいけない。年末調整や確定申告の内容がしっかり反映されているか確認してほしい。40代共働き夫婦で大学生と高校生の子供がいる場合、確認漏れがあれば最大26万円も損をする恐れがある」という――。
住民税額決定通知書とミニチュアハウス
写真=iStock.com/Yusuke Ide
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「住民税決定通知書」に“誤り”があると損をする

慌ただしい4月、5月が過ぎ、あっという間に迎えた6月。会社員の方のもとには、勤務先を通じて「住民税決定通知書」が届きます。今年6月から翌年5月まで、毎月の給与から天引きされる住民税額が決まりました、というお知らせです。

紙やメールで確認しながらも、年末調整の記憶を遠くに思い出し、「見る気がしない」方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、これは単なるお知らせではありません。年末調整や確定申告を通じて、前年の働き方やご家族の状況、ふるさと納税や住宅ローン減税といった制度が、今年の手取りにどのように反映されたかを確認できる書類です。年末調整や確定申告の答え合わせであり、いわば、わが家の手取りの“燃費”を確認できるチェックツールともいえます。

同じ年収でも、使える控除がきちんと反映されているかどうかで、手元に残せるお金は変わります。所得税の答え合わせは12月に出ますが、住民税についてはこの通知書を見ないとできません。もし通知書にミスがあれば、家計の“燃費の悪さ”をそのままにして、1年間走り続けるようなものですから、もったいない話です。

物価高が続く今だからこそ、使える制度が反映されているかを確認することは、生活の守りを固めるうえで重要です。「年末調整や確定申告はしっかりやったはずだ」と思われる方も、「なんとなく済ませた」という方も。それらが適切に反映されているか、手取りの燃費損につながっていないか。通知書が届いたタイミングで一度チェックをしましょう。

「控除」は反映されているか、見落としはないか

まずチェックしたいのは、ご自身の収入状況と控除の内容・金額です。「所得」欄でご自身の収入状況を確認したら、次は「控除」欄を確認しましょう。

住民税は、おのおのの状況を「控除」を通じて反映し、計算されます。控除には所得控除と税額控除の2種類があります。例えば納税額を積み上げたブロックとすれば、控除は取り外すことができるブロックのようなものです。それぞれを決められたタイミングで取り外すことで、納税額を小さくすることができます。住民税決定通知書ではそれぞれ欄を分けて記載しています。

控除欄では、例えば医療費控除や社会保険料控除、配偶者控除や扶養控除など、所得控除の利用状況をチェックできます。税額欄と摘要欄では、例えば住宅ローン控除やワンストップ特例を利用した場合の寄附金控除など、税額控除の利用状況がチェックできます。年末調整で目にするものも多いですね(図表1)。

【図表】控除欄でチェックできる住民税の所得控除の種類
筆者作成

ご自身が申し出たはずなのに、載っていないものはないでしょうか。本当は受けられるはずなのに見落としていたもの、金額に違和感はありませんか。ご自身が正しく進めていたとしても、自治体や企業側などの処理過程で漏れが生じることはあります。まずは使えるはずの欄が埋まっているか確認しましょう。