「40代共働き夫婦、大学生と高校生の4人家族」で試算

控除の金額の差は、ちりも積もれば。積み重なって、家計に大きな影響を与えることもあります。ここではプレジデントオンラインの年末調整の記事でも登場した「Aさんファミリー」を例に、うっかりしがちな3つのポイントを見ていきます。

Aさんファミリーのプロフィールは以下のとおりです。

(48歳)会社員:年収800万円
(47歳)会社員:年収400万円(2年前にフルタイム復帰)
長男(20歳):大学2年生、アルバイト収入は年120万円
長女(17歳):高校2年生

夫はふるさと納税で8万円寄附。
8年前に夫名義で住宅ローンを借りており、年末残高は約4000万円(住宅ローン控除率は1%)

申請を忘れると26万円の損…共働きの40代夫婦にFPが指摘した「年末調整で税金を取り返す4つの控除」

【ポイント① 大学生の長男「特定扶養控除」「特定親族特別控除」】

まず確認したいのは、大学生の長男の扶養に関する控除です。2025年度税制改正の影響が、今年6月以降に届く住民税決定通知書にも表れる部分です。

Aさん夫妻の長男は今年20歳の大学2年生で、アルバイト収入が年120万円ありました。19歳以上23歳未満の子供を扶養している場合、特定扶養控除を利用できます。

改正前は、いわゆる「103万円の壁」。給与収入なら103万円を超えると控除が使えないルールでした。

長男の「アルバイト収入」正しく“伝わって”いるか

しかし2025年度の税制改正により、特定扶養控除の壁が引き上げに。給与収入だけなら123万円まで使えるようになりました。住民税の「特定扶養親族」の控除額は45万円と大きいです。使えれば、年およそ4万5000円の住民税の差になります。

今年度の住民税からは、さらに123万円を超えてもおおむね190万円近くまでは控除が受けられるようになっています。新しくできた「特定親族特別控除」です。これは、特定扶養控除と同じく大学生年代の子供がいる場合に使えるもので、以下のように子供の収入アップに伴って控除額が段階的に減るという特徴があります。壁を超えた先が崖ではなく、なだらかなくだり坂になっているイメージです(図表2)。

【図表】【令和8年度】特定親族特別控除の住民税の控除額
令和7年度与党税制改正大綱より(筆者作成)

書かれている控除額は子供の収入状況によって違っているはずです。使えるのに空欄になっていませんか。控除額は合っていますか。欄の埋まりと金額をチェックしてみてください。子供の収入を正しく伝えられていないと、控除の取りこぼしが発生しやすい構造へと変わっています。