<「手の届く価格で暮らせますか」が政治の争点に。2024年の大統領選ではトランプを支持した中間層が、生活苦で追い詰められている:マーサ・マクハーディー>
並べられたトマトに挟まれた100ドル紙幣
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米国の中間層――かつてドナルド・トランプの政治基盤を支えた中核支持層――が、生活費の高騰に対する不満を背景に、離反の兆しを見せている。世論調査と経済データが明らかにした。

調査会社ユーガブと経済誌エコノミストによるこの3カ月間の共同調査では、米中間層におけるトランプ支持率の明確な低下傾向が示されている。9月時点では支持率44%に対し不支持率が54%(差し引き10ポイントのマイナス)だったが、10月には支持率が42%に下がり、不支持率は53%に上昇(マイナス11ポイント)。11月の最新データではさらに悪化し、支持率は40%、不支持率は58%と、18ポイントの大幅な差がついた。

こうした支持率の低下と不支持率の増加は、連邦政府の閉鎖という混乱への不満と、食料品価格、住宅費、冬のエネルギー代などの高騰に対する不安からきていると見られる。

中間所得層は時に民主党につくこともあるが、共和党にとっても重要な支持層だ。2024年の大統領選では、年収5万〜10万ドルの有権者の間で、トランプは民主党の大統領候補カマラ・ハリスに対し52%対46%で勝利した。

この層は2020年の選挙では民主党寄りで、当時はバイデン支持が54%、トランプ支持が46%だった。つまり2度目のトランプ大統領誕生の時には、支持の逆転が起きていたのだ。

だが、最新の世論調査によれば、こうした中間所得層の共和党支持が揺らいでいる可能性がある。

今、世論を動かしている最大の争点は、「手の届く価格で暮らせるかどうか」だ。

ところが新車の平均価格は5万ドルを超え、多くの中間層家庭にとって、標準的な車の購入がすでに高級品レベルになっている。

食料品価格は高値が続き、家賃は主要都市で軒並み上昇。エネルギー業界の専門家たちは、今冬の暖房費が再び上がる可能性を警告している。米国農務省経済調査局によれば、家庭用の食材の価格は2025年9月までの12カ月で約2.7%上昇した。

こうした物価上昇は、トランプおよび経済に対する中間層の見方にも影響を及ぼしている。最新のユーガブ/エコノミスト調査では、中間層有権者のうち、経済を「良好」または「非常に良好」と評価したのは24%で、「悪い」と答えたのが38%、「悪化している」と答えたのは52%だった。

また、中間層は将来にも悲観的だ。1年後に「今より良くなっている」と考えているのは、全体のわずか30%にとどまっている。