部下を育てるにはどうすればいいのか。吉本総合芸能学院(NSC)で講師を務める放送作家の桝本壮志さんは「『失敗は成功のもと』といわれるが、今の若者には響かない。それよりもまずは小さな成功を褒めたほうが成果を出すようになる」という――。

※本稿は、桝本壮志『時間と自信を奪う人とは距離を置く』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

部下を育てるために心に留める「ゴミ袋」

コーチングとは、部下のモチベーション向上や主体的な行動をうながす育成手段のこと。ここでは約1万人の猛々しい芸人の卵たちに実践してきたコーチング法をシェアします。

まず、部下を育成していく心がまえとして、僕は「ゴミ袋」を意識しています。なんだそれ? と思われるでしょうが、こんな3つの意味があります。

(1)録音されてもいい透明性はあるか?

部下へのコーチングは、ついつい相手の心をくじき、声を荒らげがち。さらに会話を録音されてパワハラ事案になることもある時代です。

なので僕は、半透明のゴミ袋のように「誰が見ても、やましくない内容物」を心がけて育成していますし、すべての授業を録画OKにして透明性を担保しています。

(2)詰め込まない、きつく縛らない

ゴミ袋は詰め込みすぎると結べなくなるし、強く縛ると割り箸が飛び出してきたりしますよね? それと同じで部下にマニュアルを詰め込もうとしたり、発言や行動の自由を縛ったりすると「やぶれる(辞める)」可能性が高くなります。

適量を入れ、軽く縛って、可燃や不燃ゴミがあるように適材適所に置いて放置する(見守る)感覚も必要です。

(3)しょせん、自分の教えなんて「ゴミ」という意識

生徒には「いろんなことを伝えるけど、君にとっては大半がゴミだよ。でもたまに『よく考えたら使えるモノ』が混ざっているから、それを見落とさないように」と伝えています。

私たちリーダーは偉い人ではなく伴走者。主役のランナーである部下を、励まし、叱咤し、勇気づけながらゴールに導く脇役なので、自分の指導を「金言」でなく「戯言」くらいのイメージで差し出していくことも大切なんですね。