本当のお金持ちは、どんなことにお金をかけているのか。富裕層税務コンサルタント・税理士で『億万長者になるお金の使い方 富裕層の領収書1000万枚見てきた税理士が教える』(SBクリエイティブ)を出した森田貴子さんは「領収書を確認すると、どんな人も靴への強いこだわりが見て取れる」という――。
プロレースのサイクリスト
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お金持ちは「運動」に投資している

富裕層は例外なく何らかの運動習慣を持っています。健康という見えない資産は、人生後半が長くなった時代を生き抜くための最強のインフラです。

富裕層にとって、心身の健康維持は、いわば「家族や従業員に対する愛情表現」のひとつです。

もちろん、ビジネスでは見た目の印象も重要ですし、「かっこよくありたい」「素敵でありたい」という目的でボディメイクするというのもあるでしょう。

でも、それ以上に、「周囲にいる大切な人たちのために、自分が心身共に健康でなくてはいけない」という意識が強いのです。

経営者が倒れたら家族も従業員も、従業員の家族までもが先行き不安になってしまいます。路頭に迷う可能性すらあるのです。経営者という責任ある立場として、それは避けなければなりません。

また、ビジネスの世界では欠席しないことは大原則です。首相や大統領、上場企業の社長など、大事な場面で欠席すればニュースになります。身体には日々調子の変化はあるものの、責任ある仕事をしている人は当たり前のように体調管理をしています。

「富裕層にはアーリーリタイアなんて選択肢はない」という話をしましたが、生涯現役を貫くためにも、心身を健やかに保ち、健康寿命を延ばすことに非常に意欲的です。これほどウェルネスの意識が高いことは、領収書からも、そして実際に接していてもよくわかります。

「休む」ために泳ぎ、漕ぎ、走る

まず、強い体づくりのためにパーソナルトレーナーをつけるのは、富裕層にとっては常識と言えるほどの共通項です。

また、私が接してきた方々は例外なく、筋トレやゴルフ、テニスなど、何かしらの運動習慣を持っています。フルマラソンやトライアスロンといったハードなスポーツに挑戦している方も少なくありません。思い返してみると、成功している人ほど身体を大切にしている、そんな印象を受けます。

「仕事が終わってから夜11時にプールに入ることもあるんですよ」

そう笑いながら話してくれた方は、トライアスロン歴は5年。年に3回ほど大会に出場し、オフシーズンでも早朝のランニングや深夜のスイムを欠かさない。

「泳いで、漕いで、走っている間だけは、誰の期待にも応えなくていい。自分とだけ向き合えるんです」

昼は経営会議、夜はオンラインミーティングもある日もあります。休日も「休むために走る」と言います。

ある経営者は、日曜の早朝に100キロを超えるバイクトレーニングを行う。「過酷なことをやっている時間ほど、頭が静かになる。判断がシンプルになるんです」と言います。ビジネスの現場では、情報過多やストレスの中で冷静さを保つことが難しい。