「夜中にトイレに起きる」3大原因
夜間頻尿の原因は、「夜間多尿」「蓄尿障害」「睡眠障害」の3つだ。まず夜間多尿とは、文字通り夜間の尿量が増えること。正確には1日の排尿量の33%を超える量が夜間(就寝から起床直後まで)に出ていることを指す。高齢になると夜間多尿になりやすい。睡眠中の尿意を抑える抗利尿ホルモンの分泌が減るとともに、心臓や筋肉の衰えなどから血液循環が悪くなることなどで、夜間の尿量が増えるためだ。
蓄尿障害とは、男性の前立腺肥大症や男女共通の過活動膀胱などの病気によって膀胱に尿を十分にためられなくなること。そして、夜間頻尿を起こす睡眠障害には、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、不眠症などがある。
これらの夜間頻尿の原因の中で最も多いのは、夜間多尿だ。蓄尿障害や睡眠障害などが背景にある場合は、医療機関を受診して原因となる病気を治療することになるが、一方で「夜間多尿はセルフケアで良くなることも多いので、医療機関でもまずはそれを勧めます」と桜十字病院上級顧問・泌尿器科医長で、「夜間頻尿診療ガイドライン[第2版]」の作成委員長も務めた吉田正貴氏は話す。
では具体的にどんなことをすれば、悩ましい夜間頻尿を改善できるのだろうか。
就寝5時間前までに「足のむくみ」を取る
夜間多尿の診断においては、「排尿記録」をきちんとつけて、何時にどれくらい尿が出たかを調べる必要がある。吉田氏によると「夜間の1回の排尿量が昼間と同じかそれ以上の人、夕方になると足がむくむ人は、夜間多尿の可能性が高い」という。
加齢や運動不足で血液の循環が悪くなると、下半身の血管から水分が漏れ出して細胞の隙間にたまり、夕方になると足がむくんでくる。足がむくんでいるかどうか確認するには、すねを指でグッと押してみよう。指を離したとき跡が残るようなら、むくみがあると考えてよい。
その状態で布団に入ると、外に出ていた水分が再び血管の中に戻る。すると血中に増えた水分を減らすため、夜間に大量の尿が作られるようになるというわけだ。
「摂取した水分が尿として排出されるまでには4~5時間かかります。つまり、就寝の4~5時間前までに足のむくみを解消し、たまった水分を血管に戻しておけば、夜中に作られる尿の量が減るわけです」(吉田氏)
足のむくみを取るにはどうすればよいのか。吉田氏は「ウォーキング」「足上げ」「弾性ストッキング」などが効果的だという。1つずつ説明しよう。

