Amazonが売らせず、Visaが買わせない
近年、世界各国でデジタルプラットフォームをめぐる規制強化が相次いでいる。英国では2024年からオンライン安全法が本格施行され、アメリカ企業に対して巨額制裁金を科してでも自国の価値観を貫く姿勢を示している。EUでもデジタル市場法・デジタルサービス法により、GAFAの影響力削減を視野に入れた強硬な規制を進めている。
一方で、民間レベルでも変化が起きている。国際クレジットカード会社の方針変更により、SteamやItch.ioといったゲームプラットフォームが成人向けコンテンツの規制を強化。ニコニコ動画では一部クレジットカード決済が停止されるなど、決済インフラを通じた事実上の検閲が広がっている。
こうした動きに対してSNSでは連日、「検閲だ」「表現の自由が危機に瀕している」と批判する投稿が拡散されている。こうした問題を盛んに取り上げ、インフルエンサー化しているアカウントも少なくない。
しかし、それらのほとんど、海外情報については例外なく当事者への取材なく、SNSで拾った外国語(おおむね英語)の投稿を垂れ流している程度である。
例えば、先日話題になったEUが進めていた、児童性虐待を監視するために「メッセージングアプリを通じて送信される全ての情報をスキャンする」という「チャットコントロール規則案」もそうだ。
多数の国が反対し廃案になったとする投稿を見つけた筆者がEUに問い合わせてみたところ、報道官からは「欧州委員会は児童性的虐待を防止・撲滅する規則案を撤回していませんし、撤回する予定もありません」という回答だった。
「表現の自由」の本当の敵は誰か
このように、SNSを通じてデマ情報が大量に流通しているのが現在の状況である。
「表現の自由」というキーワードは、SNSではなにかと火が付く話題だが、オンライン空間をめぐる表現規制問題が世界の主戦場となる中で、日本は曖昧な情報のみが流布し炎上炎上を繰り返すガラパゴス状態に陥っているといえる。
なぜ、このような状況が生まれているのだろうか。

