老化を遅らせるためにできることは何か。糖尿病専門医の牧田善二さんは「食事がいちばん大きい。しかし老化の元凶となる糖質を含むからといって、お酒は控えなくていい。どんな食べものもメリット・デメリットがある。要はどう摂り入れるかだ」という――。

※本稿は、牧田善二『脳と体が老けない人の食べ方』(新星出版社)の一部を再編集したものです。

ジャンクフード、ハンバーガー、ピザ、フライドチキンを食べる
写真=iStock.com/Nattakorn Maneerat
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老化予防のカギは毎日の“食”にあり

脳や体の老化をできるだけ遅く、ゆるやかにするには、AGEが体内にたまらないよう、食事で摂る糖質の量を減らすことがとても大切なのです。

食事で気をつけることはさらにもうひとつあります。それは、食べ物そのものに含まれているAGEに気をつけることです。AGEは多かれ少なかれ、ほとんどの食べ物に存在します。食べ物に含まれるAGEはほとんどが体外に排出されますが、6~7%が体内に蓄積され、腎臓などの働きにより、さらにそこから排泄されますが、排泄しきれないものは徐々に蓄積していきます。老化を予防する(AGEを増やさない)ためには、AGEを多く含む食べ物にも気をつけたほうがいいでしょう。

基本的に、生の食べ物にはそれほど多くないのですが、揚げたり、焼いたりなど、高温で調理することでAGEの量は一気に増えます。どの程度増えるのかは、素材によって異なりますし、調理方法や調理時間でも違ってきます。

逆にAGEの害を減らす食べ物や食べ方もあります。食べ物のなかにはAGEの害を減らすものもありますし、AGEを増やさない食べ方や調理法もあります。工夫しだいで、AGEの害を減らすことはできるのです。

体内のAGEを増やさない=血糖値を上げないこと

私たちの脳や体を老けさせ、病気を招くAGEは、毎日の食事で少しずつ体内にたまっていきます。AGEはタンパク質と糖が結びつくことで発生する物質です。体を構成する細胞や臓器はタンパク質からできていますから、血液中の糖が増えるとそれだけAGEがたくさん発生することになります。

体内でつくられるAGEの量は、「血糖値の高さ」と「高血糖状態が続く時間」で決まります。私たちの脳や体を老化させる黒幕であるAGEを増やす、もっとも大きな要因は食後に高血糖状態(血液中に血糖[ブドウ糖]が多い状態)が続くことと言ってもいいでしょう。若々しい脳、若々しい体を維持するためには、食事による血糖値の上昇をできるだけ避けることが、とても重要なのです。

食事の影響を大きく受ける血糖値

「血糖値」とは血液中のブドウ糖の量のことです。ブドウ糖とは糖の一種で、私たちが生きていくためのエネルギー源となる重要な栄養素です。

牧田善二『脳と体が老けない人の食べ方』(新星出版)
牧田善二『脳と体が老けない人の食べ方』(新星出版社)

生命活動を維持するために必要不可欠なブドウ糖は、ごはんやパンや麺、いも類や根菜類などの炭水化物や、甘いお菓子や甘い飲み物に含まれる砂糖などが腸で分解されるとブドウ糖となって吸収され、血液へと送られます。

血液へと送られたブドウ糖は全身の細胞に運ばれて、生命活動を維持するためのエネルギー源になります。

このように糖は生きていくうえで欠かせないものではありますが、使いきれないほどあるとAGEを増やしてしまいます。

現代の日本人には、使いきれないほどの糖を摂り入れている“高血糖状態”の人が多く、ここ30年ほどで糖尿病(血糖値が高い状態が続く病気)の患者数は爆発的に増えているのはその証しでしょう。