生涯、記憶力を維持するには何をすればいいか。医師の和田秀樹さんは「年配者でも20代でも『昔は簡単に記憶できた』といったような“美しい錯覚”に陥り、マイナスの自己暗示をかけると記憶力は落ちていく」という――。
※本稿は、和田秀樹『70歳からの老けないボケない記憶術』(ワン・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
記銘力低下を回避するたった2つの方法とは
認知症が疑われるような記銘力低下があったときは、専門医を受診する必要もあるかもしれません。
でも、一過性の低下であれば回避するための、じつにシンプルな方法があります。それが何だかわかりますか?
・メモする
・誰かに伝える
この2つをやるだけです。
自分の脳に浮かんだり、閃いたりした入力(インプット)情報を、文字化や発語によって出力(アウトプット)することで、確かなものとして定着させるのです。
知人の出版プロデューサーはこれまで数々のミリオンセラーを世に出してきました。85歳を過ぎた今も現役で、メモする習慣はハンパではありません。雑談中や食事中であっても、閃くとすぐにメモをします。
時には街を歩いているときにも立ち止まってメモすることもあるといいます。そればかりか、家でもその習慣は徹底していて、リビング、寝室はもちろん、浴室、トイレにもメモ帳を置いているとのことでした。
なんでも、30年ほどの前のこと、あるプランが閃いたのに忘れてしまったことがあり、しばらくして同じコンセプトの本が出版され、大ヒットになったことがあったとか。「あの悔しさは忘れない」と、以来“メモ魔”になったのだそうです。
彼はいまだに手書きのメモですが、スマホにメモ機能やボイスレコーダーがあるので、その機能を活用するのもいいかもしれません。メモは忘れないための有力なメソッドです。
とくに、人生の終着駅がチラチラと見えているような70代、80代の高齢者では、「あれ、なんだっけ?」の時間はもったいない以外の何物でもありません。「脳は忘れっぽい」と肝に銘じておくべきでしょう。

