上司・部下の関係をより良好にするにはどんな工夫が必要なのか。心理カウンセラーの五百田達成さんは「部下からの提案や報告書などに対して、『大満足! よくやってくれた、ありがとう』という気持ちにもかかわらず、『悪くない』『問題ありません』とフィードバックをする上司がいるが、これは上から目線の評価で印象がよくない」という――。

※本稿は、五百田達成『本当に頭がいい人の話し方 会話IQ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

部下を励ますビジネスマン
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【伴走力】

×「なんで? 」と詰める ○「なんでだろうね? 」と一緒に考える

×「なんでできてないんだよ! 今日中って言ったよね?」(すみません……)
×「どうしてこんな簡単なことができないかなあ?」(わかりません……)
×「いっつもそうだよね? なんで? 理由を教えてよ」(キレちゃってるじゃん……)

ミスをした相手に対して、「なんで?」と理由を問い詰める人がいます。

こういう人は、本当の理由を聞きたいわけではありません。多くの場合、ただ叱りつけたい、追い込みたいだけです。あるいは「ただ怒っている」「単に呆れている」という場合もあるでしょう。それなのに、冷静を装って「どうして?」と論理的に話すフリをする。言葉や態度も自然と強くなります。

相手としては、一方的に責められるので怖くて、言葉に詰まってしまいます。

それでも一生懸命考えて「理由は三つあって、第一に〜」と弁明しようものなら、「言い訳するな」と怒鳴られてしまう。かといって、しおらしく「すみません」と謝っても「謝ってほしいんじゃない、理由を聞いてるんだよ!」と詰められてしまう。出口がありません。

これならいっそのこと、「ちゃんとやれよ!」とまっすぐ叱ってくれたり、「イライラするなあ!」と素直に怒ってくれたりしたほうがマシ、と不満が溜まります。

キャッチボールで言えば、至近距離から速いボールを一方的に投げつけるようなもの。相手としては、怖くてしかたありません。