会話のキャッチボールをスムーズにするにはどんなところに注意をすべきなのか。心理カウンセラーの五百田達成さんは「年上世代に注意が必要なのは、知らずにうちに上から目線にならない、また『要するに』『結局さ』などと相手が話している内容を途中で勝手に切り上げない、といったルールを守ることだ」という――。

※本稿は、五百田達成『本当に頭がいい人の話し方 会話IQ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

楽しそうに電話する男性
写真=iStock.com/Zinkevych
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【謙遜力】

×「何だと思う?」と得意げにクイズを出す
○「釈迦に説法ですが」と下手に出る

×「ゴルフで一番重要なショットって何だと思います?」(普通に教えてよ……)
×「いま一番人口が減ってる県はどこでしょう? ヒントは〜」(どうでもいい……)
×「この映画、誰が撮ったかわかる? ほら、考えてみて」(興味ない……)

すぐにクイズを出したがる人がいます。

自分が知っている情報や知識を「すごいでしょう?」と自慢したいので、質問形式にして相手に考えさせようとする。相手も興味があると疑わない。誤答に対して「ブブーッ!」と言ったり、得意げにヒントを出したり。それでいて、サクッと正解を言われると不機嫌になる……。

相手からすると、ウンザリです。

「めんどくさいなあ」「どうでもいいなあ」と、イライラしてしまいます。

そもそも「教える」という行為は「上から目線」と受け取られかねない性質を持っています。ごく普通に「○○は●●ですよ」と伝えただけでも、「知ってたよ」「うるさいなあ」「偉そう」と思われてしまいがち。それなのに、意気揚々とクイズを出そうものなら、反感を買ってしまいます。

キャッチボールで言えば、グローブの中のボールをもったいぶって、なかなか投げない。そのくせ投げたと思ったらうるさく「ちゃんと捕って」と要求してくるようなものです。