言いにくいことを上手に言うにはどうしたらいいのか。心理カウンセラーの五百田達成さんは「お詫びをする時やお誘いを断らないといけない時の返答のしかたで、その人の会話IQが高いか低いがわかる」という――。

※本稿は、五百田達成『本当に頭がいい人の話し方 会話IQ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

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【謝罪力】

×「怒らせたならごめん」と謝る ○「本当にごめん」と謝る

×「怒らせたならごめん」(謝る気ある?)
×「そんなつもりじゃなかったけど、気に障ったならすまん」(どんなつもり?)
×「誤解があった点については、陳謝いたします」(誤解って何?)

怒っている相手に対して、条件を限定して謝る人がいます。

「怒らせたならごめん」「誤解させた点は謝る」……。そこには「ホントは悪くないんだけどな〜」という、保身の気持ちが透けて見えます。

責任をあいまいにしたい、なるべく「自分が悪い」とは認めたくない。何なら「君にも問題がある」と、責任を押しつけたい。そういう逃げ腰で卑怯な狙いがバレバレです。昨今、政治家や企業トップの謝罪会見で多く見られる話し方です。

相手としては、当然納得いきません。

自分の不快感や怒りが軽視されているように感じられて、モヤモヤすることに。「気持ちが受け止められてない」「表面的な謝罪だ」とかえって怒りが増します。

まるで、金網の向こうに避難して、そこから力ないボールをひょいと投げるようなもの。相手としてみれば「まじめにやれ」と怒りたくもなります。