疲れた夫の終わらぬ苦悩は、妻のイライラとわが子の冷たい視線。なぜ、家庭には自分の居場所がないのだろうか。
誰も教えてくれない家庭の難問を、哲学者・土屋賢二氏、ノンフィクション作家・髙橋秀実氏が明るく解決いたします。
(内容・肩書は、2017年9月18日号掲載時のままです)

Q1.なぜ私は、家に居場所が見つからないか?

大学を定年で退官した後、私は毎朝、近所のコーヒーショップに出勤しています。ノートパソコンを持ち込み、そこでエッセイを書く仕事をすることもあります。

かつては「女三界に家なし」と言われました。女は幼いときは親に従い、嫁いでからは夫に従い、老いては子に従わなければならず、生涯安住の場所がないというのです。

(構成=友清哲 イラストレーション=村越昭彦)