禅、瞑想とくれば思い浮かぶのがスティーブ・ジョブズだろう。世界のエリートたちはなぜ、瞑想に見せられるのだろうか。これまで数々の有名経営者を取材してきたベテランジャーナリストが寄稿。(内容・肩書は、2016年4月4日号掲載時のままです) 

主な目的は生産性・創造性の向上

グーグル、インテル、フェイスブック、ナイキ……。アメリカの最先端企業でなぜ、「マインドフルネス」と呼ばれる仏教由来の瞑想法が、社内活動のカリキュラムに取り入れられるようになったのか。

マインドフルネスにはいくつか定義があるが、ある専門家は「瞬間瞬間の体験に対して、今の瞬間に、判断をしないで、意図的に注意を払うことによって実現される気づき」と説明する(『グーグルのマインドフルネス革命』サンガ編集部編著より)。要は「“いま・ここ”の現実をありのままに受け止める」といった意味だろう。

(文=勝見明 写真=若杉憲司、amanaimages)