回転寿司で人気を誇るネタといえばサーモンだ。だが、日本人は昔からサケを生で食べてきたわけではない。時事通信社水産部の川本大吾部長は「日本人がこれほどサーモン好きになったのは、ここ30年ほどのことだ。あまり知られていないが、実はその背景にはある企業の地道な努力が存在している」という――。
スシローで人気のノルウェーサーモンの握り寿司
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スシローで人気のノルウェーサーモンの握り寿司

14年連続「よく食べるネタ」1位

寿司ネタといえば、思い浮かぶのはなんだろうか。マグロやウニ、イクラ、あるいは江戸前寿司のコハダや煮アナゴなどさまざまな魚種があるが、老若男女に好まれる人気ネタの筆頭はノルウェー産サーモンだろう。

マルハニチロが毎年行っている「回転寿司に関する消費者実態調査」では、「よく食べるネタ」で14年連続1位に君臨。2025年版の同調査ではさらに「最初に食べるネタ」「シメに食べるネタ」「コスパがいいと思うネタ」のいずれでもマグロ(赤身)などを押しのけ、トップに輝いた。

高級寿司店が軒を連ねる東京・築地場外市場(中央区)や豊洲市場(江東区)でもサーモンは人気だ。インバウンド(訪日客)の増加も手伝い、多くの店でサーモンをメニューに掲げている。豊洲の老舗寿司店では「かつての築地市場時代には扱わなかったが、人気があるので握るようになった」という。握りのみならず、海鮮丼でも全国的に定番のネタになっている。