他人の夢や希望をことごとくつぶそうとする「ドリームキラー」は意外に多いものです。結果的に他人の夢をつんでしまう行動に出ていることに、その本人も気づいていないこともあります。人の可能性にケチをつけたり、否定したりする人がいてもひるむことなく、自分の信じた道を突き進んでいくためにどうすればいいか、心理学的な見地からアドバイスします。

上司の強烈な引き留めに対してムキになってはいけない

ドリームキラーなどという言葉が広まる背景には、人の夢をことごとくつぶそうとする姑息な人がいるという現実と、単に働いて給料がもらえればよいというのでなく仕事でも夢を追いかけようとする人が出てきているという現実があります。

まず、後者から言えば、今では学校のキャリア教育でも、「夢を持とう」「自分の好きなことを仕事につなげよう」などと言って生徒・学生に好きなこと探しをさせます。そんな時代ゆえに、仕事で夢を実現しようといった風潮が広まっているわけです。ただし、そういう教育を受けている学生でさえ、「好きなことをして食っていけてる大人がどれだけいるんですか? ちょっと疑問です」「食うために仕事を辛くても頑張って、プライベートを楽しむっていうのはいけないんですか?」などと言ってくる学生も少なくありません。私も今のキャリア教育の弊害を常々感じています。

(構成=大島七々三 イラストレーション=髙栁浩太郎 撮影=宇佐美雅浩)