また、研修中は本社人事部に加え、社外の専門機関が参加メンバーのアセスメントを行い、その結果はその後の異動を決める参考となります。ただし、P-EDPに参加したら無条件で事業部長になれるというわけではなく、研修を受けずに事業部長に抜擢される人もいます。大事なのはグローバル・リーダーとしての適性をもった人材の育成で、そこに至る道は何通りあってもいいのです。
これらの研修で身につくのは、本当に必要なものの10%程度。最大の学びの機会は、やはり仕事です。だから、グローバルな能力やスキルを獲得したければ、自分の仕事にそういう要素を入れていくといいでしょう。たとえば、現在1日平均50通のメールを受け取っていて、そのうち海外からのものはせいぜい1、2通という人は、まずこれを10通に増やす努力をする。そうすれば、その分英語で考える時間が増える。
それから、グローバル人材のイメージを明確にしておくこと。輪郭がはっきりしていれば、自分に足りない部分が明らかになるので、そこを重点的に勉強すればいいのです。
1957年、岩手県生まれ。81年松下電器産業(現パナソニック)入社。北米テレビ事業部の国際人事マネージャーや本社の東京採用室長など、国内外の人事畑を歩み、2008年から現職。