『MATSUSHITA LEADERSHIP』(John P. Kotter著)、『松下幸之助と歩む旅』(北康利著)、『経営戦略の思考法』(沼上幹著)、『幸之助論』(ジョン・P・コッター著=上記本の日本語版)、『実践経営哲学』(松下幸之助著)。お勧め本はパナソニックの創業者、松下幸之助に関する本が多い。

また、研修中は本社人事部に加え、社外の専門機関が参加メンバーのアセスメントを行い、その結果はその後の異動を決める参考となります。ただし、P-EDPに参加したら無条件で事業部長になれるというわけではなく、研修を受けずに事業部長に抜擢される人もいます。大事なのはグローバル・リーダーとしての適性をもった人材の育成で、そこに至る道は何通りあってもいいのです。

これらの研修で身につくのは、本当に必要なものの10%程度。最大の学びの機会は、やはり仕事です。だから、グローバルな能力やスキルを獲得したければ、自分の仕事にそういう要素を入れていくといいでしょう。たとえば、現在1日平均50通のメールを受け取っていて、そのうち海外からのものはせいぜい1、2通という人は、まずこれを10通に増やす努力をする。そうすれば、その分英語で考える時間が増える。

それから、グローバル人材のイメージを明確にしておくこと。輪郭がはっきりしていれば、自分に足りない部分が明らかになるので、そこを重点的に勉強すればいいのです。

グローバル経営研修センター所長 高橋広明
1957年、岩手県生まれ。81年松下電器産業(現パナソニック)入社。北米テレビ事業部の国際人事マネージャーや本社の東京採用室長など、国内外の人事畑を歩み、2008年から現職。
(構成=山口雅之 撮影=永野一晃)
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