パナソニック経営のDNAを注入
当社はコンシューマー、ソリューション、デバイスの3つの事業分野から成り、そのおのおのでいかにグローバル化を進めるかが当面の課題となっています。そのため、2011年度からは採用基準を全世界で統一し、新卒採用の人数も、国内290人に対し海外は1100人と、圧倒的に海外の比率を高めました。
加えて人事戦略においては、パナソニックの経営理念をきちんと理解し、なおかつそれを実践できるグローバル・リーダーの育成が急務だといえます。そこで、その対策として10年度からP-EDP(Panasonic Global Executive Development Program)I、IIという研修を始めました。これは本社が管理する経営職のポスト、いわゆる事業部長クラスの人材を育成するのが目的で、全世界の社員が対象です。
この研修に参加するのに国籍や所属地域は関係ありません。人事部が全世界の事業部に一斉に募集をかけるので、全社員にチャンスがあります。ただし、今年でいえばP-EDPIが約30人、IIが約50人とかなりの狭き門となっています。
これまでの参加者をみると、グローバルな経験がまったくないのに選抜されている人もいます。ただ、研修中のコミュニケーションは基本的に英語で行われるので、英語力は必須です。例えば、TOEIC600点台の人だとディスカッションの際かなり苦労することになります。それで、そういう人は研修の合間に、英会話学校に通ったりしているようです。国際舞台で英語ができないとどれだけハンデになるかといったことを、身をもって知らしめるというのも、この研修の目的のひとつです。