実際に受講してメリットと感じているのはコンテンツの豊富さと、地方に居住しているとなかなか話を聞く機会のない経営者の講義を聞けることである。塾の各科目ではネット上での議論への参加、具体的には月1回以上の投稿が義務づけられているが、中島社長はこれにも力を入れている。
「普段の仕事を中心に生活をしていると、世の中の出来事や動向を深く考察する機会がなかなか持てません。そもそも投稿しようと思わないと、時事問題や他社の経営戦略に関する自分の考えなんてまとめませんよね。そうした知的筋トレの機会は、自社が同じような状況に直面したときどう対処すべきかを考える訓練になるので、とても貴重です」
投稿を義務と考えるのか、それとも権利と考えるのかでだいぶ学びは変わってくる。そう中島社長はいう。
大前経営塾を受講してから起こった自身の変化の1つとして、中島社長は毎朝BSニュースを視聴するようになったことを挙げる。以前は芸能情報が大半の民放番組を見ていたが、日本のマスメディアではあまり触れられないが、社会にインパクトを与える世界の情報を自分から取りにいくようになったのである。
「かつて当社が手がけていた量産品の製造という仕事が海外に流れ、結果として現在のような形になったのは大きな世界的な潮流のなかで起こった出来事です。やはり視野を世界に広げて世の中がどういう方向に動いていくかを考えながら、同時に自分たちの長所がどこにあり、それをどう活かせば社会に必要とされるのかを思考し続けることが、経営者には必要だと思うんです」
1972年、新潟県出身。法政大学文学部日本文学科中退。96年同社入社、2004年より現職。