なぜ、今の若い世代は物欲がなくなったのか
「シェアリング(共有)」のライフスタイルが浸透してきている。車を共有して使うカーシェアリングがカーライフの一形態として定着し、電化製品やベビー用品などを買わずにレンタルで済ます家庭も増えている。一つの家を複数の単身者が共有して暮らすシェアハウスが人気を呼び、モノばかりでなく、仕事を分け合うワークシェアリングも社会的なテーマになっている。
もともと江戸時代まで農村を中心とした日本のコミュニティでは相互扶助、沖縄の方言でいえば「ゆいまーる:結い回る(助け合い)」の基本はシェアリングだった。しかし近代以降、特に戦後の高度成長期を経て日本人はアメリカ型の大量生産・大量消費社会の豊かさを享受してきた。テレビや電話が一家に一台だった時代から、今やテレビも携帯電話もパソコンも一人一台の時代になり、「個の時代」も行き着くところまで行き着いた観がある。
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