平日も毎日約2時間、学習時間にあてる

金沢村田製作所 
第1製造部 部長 
中山能勝氏

ここまでに登場した2人が経営者であるのに対し、金沢村田製作所第一製造部の中山能勝部長は会社から指名され、幹部社員教育の一環として大前経営塾に入塾した人物である。

中山部長は85年に村田製作所に入社して以来、生産技術部門を歩み設備設計、開発に従事し、現在はマニュファクチュアリング部門の法人である金沢村田製作所へ出向。スマートフォンやタブレットPCに使用される通信用表面波フィルターの製造を行っている。

「地方にいる自分に声がかかったことは素直に嬉しいと思いました。一方で休みがなくなるかなと少し重苦しい思いもあったのですが、実際に始めてみたらだんだん面白くなっていきました。今は1週間あたり15時間から20時間は経営塾に使っています。全く苦痛ではありません。楽しいからそうしているんです」

滋賀県から石川県に単身赴任している中山部長は、主にその移動時間や週末を学習時間にあて、平日も毎日1時間半から2時間、講義の受講や課題図書の通読などに費やしている。

とりわけ中山部長が「楽しい」と感じているのは、ネット上でのディスカッションである。塾生はさまざまな業界から集まっており、企業規模もさまざまだ。身を置いている業界も生活パターンも異なる人たちでディスカッションを行うと、1つのテーマのなかでも多様な価値観に触れられる。一貫して同じ業界、同じ会社で働いてきた中山部長にとって、それは非常に新鮮な体験だという。

また、科目としては企業の経営者の立場になって戦略を考察するRTOCSが刺激になっていると話す。