「私はどう思うか」がないと他からコントロールされやすい

感情は、ちゃんと感じてちゃんと受けとめると、「解放される」という性質があります。

感情は麻痺させたり抑圧するものではなく、解放する必要があるのです。

現代を生きる私たちは、昔とは比べものにならないほどの情報量の中で生きています。気づかないうちに、メディアの意見や有識者やインフルエンサーの発言に同調してしまい、「自分はどう思うか」を見失いがちです。

つまり自分軸がない人のほうが、他からコントロールされやすいのです。

自分軸は「自己本位」のことです。自己本位は自己中心的とは少し異なります。

自己中心は、他人の存在を無視して、自分中心に物事を考えることです。

自己本位は、他者の存在を尊重しながらも、「私はどう思うか」「私は何をしたいか」を問う態度です。

和田秀樹『逃げる勇気』(自由国民社)

逃げられない人は、他人にふり回されて、自分を見失わされています。いわば洗脳とさえ言えることです。

他人をふり回すのがうまい人は、他人をコントロールする術に長けていますから、社会経験が少ない人は、彼らにすぐに飲みこまれてしまいます。

逃げるには、相手と真正面からは戦ってはいけません。相手の攻撃をうまくかわしながら逃げるのです。

「もうがんばりたくない!」と言ってください。

「私は大丈夫じゃない!」と言ってください。

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