秋篠宮家の長男・悠仁さまの進学先が注目されている。皇族の大学進学はどうあるべきなのか。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員・藤澤志穂子さんは「東大への推薦入学や、生物学の研究が盛んな大学名が候補として挙がっているが、いずれもリスクがある。将来、天皇になられるからこそ、私は『学習院へお進みください』と強く勧めたい」という――。
岐阜関ケ原古戦場記念館に到着された秋篠宮ご夫妻と長男悠仁さま。左端は同館の小和田哲男館長、右端は岐阜県の古田肇知事=2024年8月1日、岐阜県関ケ原町[代表撮影]
写真=時事通信フォト
岐阜関ケ原古戦場記念館に到着された秋篠宮ご夫妻と長男悠仁さま。左端は同館の小和田哲男館長、右端は岐阜県の古田肇知事=2024年8月1日、岐阜県関ケ原町[代表撮影]

「東大推薦入学」に反対する1万2000筆超の署名

高校3年生になられた秋篠宮家の悠仁さまの大学進学先はどちら? といった憶測が飛び交っています。トンボなど生物学の研究が継続できそうな東大、筑波大、東京農大、玉川大などなど。紀子さまが熱望しているとされる東大推薦入学は、オンライン上での「反対運動に1万人以上が署名した」との報道もあり、やや遠のいた印象でしょうか。

お茶の水女子大附属幼稚園から現在、通われている筑波大附属高まで、悠仁さまのために作られた制度とみられてしまうこともありました。同様の制度を活用して進学した一般生徒の例が殆ど聞こえてこないことも不思議でした。「皇室特権」とみられてもやむを得ず、その最たる事例が東大推薦入学になるのでしょう。

推薦入学は私学では一般的とはいえ、東大となれば「国際数学オリンピック」で入賞するなど、一般入試よりハードルが高いのが実態です。それに匹敵する実績を悠仁さまが出されているのか? どうしても「モヤモヤ感」は否めません。

ですが悠仁さまの進学に当たり、「皇室特権」を使っても全く問題のない、むしろ自然な進学先があります。それが学習院です。だからこそ、学習院出身の筆者としては、今こそ悠仁さまに「学習院大学へお進みください」と強くお勧めします。それに学習院大学理学部には生命科学科という、生物の研究ができる学科もあるのです。

なぜ歴代天皇・皇族は学習院で学んできたのか

学習院は、明治天皇が皇孫・迪宮裕仁親王(後の昭和天皇)の教育を任せるため、日露戦争の名将:乃木希典を院長に招いた歴史があり、当時の教えが教育の基本になっていました。そのもとで上皇陛下も天皇陛下、秋篠宮殿下も学んでおられます。

ある意味「天皇になるための帝王学」の一端を担ってきた学習院に通う機会がなかったことで、悠仁さまが得られなかった代償は、あまりにも大きいのではないしょうか。それを学習院大学へ進学することで埋め合わせてほしい、と考えます。

その理由をひもといていきましょう。