スムーズに起床できる前日の夕食3つのポイント
実際、起立性調節障害を食事療法で治療するクリニックもあります。血糖コントロールに注目した食事療法で、劇的に改善すると聞いています。
なお、空腹のまま寝てしまうことも、脳に負担をかけます。体内の糖質の量が減ることで、睡眠中に糖新生が起こってしまうからです。塾で帰宅が遅くなったときにも、夕食は抜かないことが大切です。
そこで、夜はどんなことをポイントに食事をするとよいかをまとめます。
【夕食のポイント】
1、主食をとりすぎない。
お茶碗に軽く1杯程度に。
2、たんぱく質をしっかりとる。
肉、魚、卵、大豆食品、チーズなどの乳製品などのたんぱく源を多めにとる。
3、水溶性の食物繊維が豊富な野菜をたっぷり食べる。
水溶性の食物繊維には、消化吸収をゆるやかにする作用があり、血糖値スパイクの予防に効果的。海藻類、コンニャク、アボカド、豆類、オクラ、山イモ、モロヘイヤ、ナメコ、ニンジン、サツマイモなどに水溶性の食物繊維が多く含まれます。
受験生の主食は「お茶碗に軽く1杯」が適量
では、主食の「適量」とはどのくらいでしょうか?
その答えを導き出すには、人の体の体組成を知ることがいちばんです。
人の体を構成する成分でもっとも多いのは、水分です。成人の場合で約60%前後。子どもの場合は、水分量がさらに多くなります。子どもの肌がピチピチしてみずみずしいのも、水分量の多さが関係しています。
では、残りの40%弱は何から成り立っているのでしょうか?
三大栄養素から見ると、たんぱく質が約50%、脂質が約47%、糖質が約3%という構成です。糖質はたった3%しかありません。人の体が大量の糖質を必要としていないことは、体組成から考えれば一目瞭然です。
そこで、受験メシでは、ごはんの適量を1回の食事につきお茶碗に軽く1杯程度とします。勉強時間が増えている反面、運動量は減っていると思いますから、エネルギー源として摂取するには、それで十分でしょう。
ただし、単に「糖質の摂取量を減らせばOK」とはなりません。そのぶん、たんぱく質と良質な脂質の摂取量を増やすことが重要です。
糖質のエネルギー量は、1g当たり4キロカロリー。これに対して、たんぱく質は1g当たり4キロカロリー、脂質は1g当たり9キロカロリーのエネルギー量があります。糖質の摂取量を減らしても、たんぱく質と脂質の摂取量を増やせば、脳や体がエネルギー不足になる心配はありません。
むしろ、たんぱく質と脂質は血糖値スパイクを引き起こさないぶん、低血糖時に生じるようなメンタル不調も起こらず、食後も精神的に安定した状態を保てます。
ただし、完全に主食を控えるような糖質制限を行なうのはやめましょう。糖質制限は、糖尿病やその予備軍の人には最適な食事療法ですが、育ち盛りの子に行なうと、身体的にも精神的にも多くの問題が出てきてしまうからです。