日本における安楽死

清水研『不安を味方にして生きる:「折れないこころ」のつくり方』(NHK出版)

日本では、安楽死に関する問題の議論がまだ十分に行われていません。この難しい問題を避けようとしている風潮を感じることが多く、タブーとせずに議論をする必要があると私は思います。ただ、オランダの医師の報告などから、安楽死や自殺幇助が合法となると、ほかの手段(たとえば痛みであれば鎮痛薬の調整、こころの苦痛であればカウンセリングなど)でも苦痛が緩和しうる人に対して、安易に安楽死や自殺幇助が行われる恐れがあります。かたや、安楽死や自殺幇助が選びうる手段となれば、死にいたるまでの苦しみから逃れる確かな方法があるので、安心を感じる人もいるでしょう。

目をそむけたくなる課題をうやむやにすれば、うしろめたさや不安がこころに募ります。

あらゆる心配事にあてはまりますが、向き合うことはそれ自体に痛みが伴っても、疑心暗鬼にならず正しく対処するためには必要な行為ではないでしょうか。

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