療養生活への過激なイメージ

がんによる療養生活と聞いて、みなさんはどのようなイメージをもつでしょうか。メディアの一部が「壮絶な闘病生活」と取り上げることもあり、苦しみに満ちた生活を想像するかもしれません。メディアは多くの人をひきつけるために過激な表現を使う傾向があるのでは、と個人的に感じます。病気と無縁と思えれば気にならないかもしれませんが、病気と向き合っている人には強い不安を与えるので、闘病の描写について考えてほしいと思います。

私が実際の診察現場で感じるものは、報道される過激なイメージとは異なり、もっと穏やかなものです。患者さんと、ご家族や友人、医療者とのあいだには温かい人間的な交流があり、病棟では笑顔が見られ、笑い声が聞こえることもあります。さまざまな苦悩はもちろんありますが、必ずしも暗いものばかりではないのです。

ホスピスケアで年長の手の女性を保持する介護者の手
写真=iStock.com/Pornpak Khunatorn
※写真はイメージです

がんに伴う苦痛を過剰に恐れる必要はない

死にいたるまで苦しむのではないかという吉田さんの不安について、私は次のように伝えました。