“次のリーダー”に求められる話し方

ここまで歴代総理大臣3人の話し方について振り返ってきました。

安倍晋三氏のような人柄を生かした親しみやすいリーダーシップ、小泉純一郎氏のような個性的で心に残る表現、田中角栄氏のような時代を捉えた文脈での先導は、それぞれの時代にマッチしていました。

これまで、私自身もたくさんの政治家の方の原稿ライティングや話し方トレーニングを担当してきました。その中で日頃から実感していることが、「“政治家本人“が演説を極め、やり切る気持ちを持つことが、何よりも重要である」ということです。

千葉佳織『話し方の戦略 「結果を出せる人」が身につけている一生ものの思考と技術』(プレジデント社)

演説は、本気で言葉を届ける覚悟や気概があれば、どこまででも上達します。逆に言うと、まわりに指摘されている段階では、どんなに強力なサポート(例えばSNS発信など)があったとしても伸び悩んでしまうのです。

次期リーダーには、国際社会との対話力や、多様な意見を尊重しながらも軸を持つ発信力が求められます。

それだけではなく、デジタル時代に合わせたメディア戦略やコミュニケーション設計も不可欠です。誠実で透明性の高いコミュニケーションが新時代の信頼を築く鍵となるでしょう。

話し方を通じて自分の言葉をどう届け、響かせられるかどうか。そして、コミュニケーションを大切にできるかどうか。そういったことを考えられるリーダーを求めたいです。

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