目を閉じるだけでも効果アリ

また、会社によっては、業務に集中するスペースとして、電話ボックスのようなソロブースが設置されていることがあります。そこで寝るのは難しいですが、目を閉じて自分の息の出入りに意識を向けるだけでも効果があります。

昼休み中も仕事をしたり、スマホを見たりという人も多いと思いますが、脳が疲れたまま仕事を続けるよりも、一度手をとめて少し休憩をとったほうが、確実に効率が上がります。これを「休憩効果」といいます。昼休みを使って、うまく自分の脳を休ませてください。

平日なかなか睡眠時間がとれないので、休日は遅くまで寝ているという人もいるかもしれません。

寝だめのつもりでも、体内リズムが狂ってしまうので、かえってだるさや頭痛などが出てしまい、体の調子が崩れるきっかけになることがあります。

休日は遅くまで寝るのではなく、いつもの時間に起きて、脳に負担をかけない過ごし方でエネルギーをためることをおすすめします。

「なにもしない時間」で人は回復する

脳に負担をかけない過ごし方というのは、思いきって「なにもしない時間」を半日〜1日つくるといったことです。

布団の横に食べ物や飲み物を用意して、トイレのとき以外は動かないくらいのつもりでOK。子どものころ、熱を出して1日中寝ていたときのイメージです。それくらい、葛藤せずに休むことを優先しましょう。

「あれも、これもやらなきゃいけないのに……」という葛藤があると、脳が休まりません。徹底的に「なにもしない」と決めこむことが大切です。

「なにもできない」のではなく、あえて「なにもしない」時間です。「Do nothingの時間」と私は呼んでいます。

そこまで疲れていない場合は、散歩をしたり、カフェに出かけたり、本を読んだりしてもいいでしょう。

佐藤恵美『職場の同僚のフォローに疲れたら読む本』(PHP研究所)

ただし、1日中スマホで動画を見る、しかも倍速で見つづけるような過ごし方は避けてください。脳を極度に疲れさせることになってしまいます。

とはいえ、なにもせずにぼーっとする、というのは、いざやってみるとなかなか難しいものです。

ぼーっとしてなにもしないつもりでも、脳の働きはとめられないので、ついつい考えごとをしてしまいます。

仕事のことや腹の立つことを思い出してあれこれ考えてしまう、いわゆる「ぐるぐる思考」におちいってしまう人は、お気に入りの音楽にあわせて歌うなどして、別のことに意識を向けるようにしてみてください。

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