1日だけ寝溜めしても睡眠負債は解消しない

ちなみに、「眠れている」とは次のような状態です。

・睡眠時間をきちんと確保できている
・寝つきがいい
・夜中に何度も目が覚めることがない
・起きる予定の時間より早く目が覚めてしまうことがない
・朝スッキリと起きられて、疲れがとれたと感じられる

どれくらいの睡眠時間がいいのかは個人差があるので一概にはいえませんが、多くの人には7〜9時間の睡眠が適正といわれています。

6時間を切るような睡眠時間しか確保できない場合は、「睡眠負債」となる危険があります。日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、心身に悪影響をおよぼすおそれのある状態です。

あきらかに睡眠時間の確保ができていない場合は、今の仕事や家庭生活でかなり無理をしているということです。

予定を入れない計画休をとるなどして、リフレッシュしたり、睡眠時間を確保したりといった「とりあえず」の方法もありますが、基本的に1日だけ適正な睡眠時間を確保しても、睡眠負債にはあまり効果がありません。

昼休み15分の昼寝は疲労回復に効果大

ですので、普段どうしても適正な睡眠時間を確保するのが難しい場合は、ぜひ「パワーナップ」と呼ばれる「昼寝」をおすすめします。

デスクで昼寝をするビジネスマン
写真=iStock.com/Paul Bradbury
※写真はイメージです

昼寝を意味する英語の「nap」と「power up」をかけあわせた造語で、まさにエネルギーをチャージしてパワーアップする昼寝という意味です。

昼休みに15〜30分程度の短い時間で効率よく脳を休めることができると、心身の疲労回復に大いに役立ちます。

昼寝といっても、短時間なので熟睡するわけではなく、目を閉じてイスにもたれかかったり、デスクに伏せたりして、脳を休めるだけで効果があります。

そのときに、「アイマスクをする」「イヤホンをして外の音を遮断する」「枕やブランケットを使ってリラックスする」など、できるだけ脳への刺激を少なくすると、より効果的です。ぜひ、お気に入りの睡眠グッズを職場に用意してみてください。

ただし、午後3時以降に昼寝をはじめると夜間の睡眠のさまたげになる場合があるので、夕方にかからないよう気をつけてください。