自分の得意・不得意を把握すれば、自分を殺す必要はない
「そもそも、やりたくない仕事をやらないって、社会人としてどうなんでしょうか?」
「君の言いたいことはわかるよ。特に、新人のうちはいろんな仕事を通して、得手不得手を学んでいくということもある。さまざまな部署を経験することで、多角的なものの見方をできるようにもなるだろう」
「そうですね」
「ただね、何でも人並みにこなせる、器用な人間ばかりじゃない。世の中にはいろんな人がいるんだ」
「高山さんも同じことを……」
「だろう? 別のことで頑張って、会社として結果オーライならそれでいいじゃないか。社会の常識に合わせて自分を殺す必要はないんだ」
苦手な仕事を避ける代わりに、高山は誰よりも営業活動に精を出し、売り上げという結果を残してきた。そうして、得意なことや好きなことだけをやる“特権”を勝ち取り、自分の能力を効率よく伸ばし続けることができたということなのだろう。
高山のやり方はかなり力技だが、自分の得意・不得意を把握して行動を起こしていくのは大事なことかもしれない。