ダメ上司を思うままに動かすスキルとは

「上司のくせに、この人はダメだな」
「なぜこんな人が上司なんだろう?」

木村尚敬氏
木村 尚敬 経営共創基盤(IGPI)共同経営者 マネージングディレクター。ベンチャー企業経営の後、IGPIへ参画。全社経営改革や事業強化などを推進している。著書に『ダークサイド・スキル 本当に戦えるリーダーになる7つの裏技』など。

誰でも一度や二度は、こんなふうに思ったことがあるでしょう。

しかし上司が相手では、あからさまに盾突くわけにもいきません。だからといって、心の中でイライラを押し殺しているだけではしょうがない。さまざまなスキルを駆使して、ダメ上司を思いのままに動かしてみましょう。

「そんなスキルがあるのか?」と思うかもしれませんが、このようなスキルは英語力や財務会計の知識と違い、履歴書の特技欄に書くわけにもいかず、ビジネススクールでも教えません。このような光の当たらないスキルを、私は「ダークサイド・スキル」と呼んでいます。この人心掌握スキルこそが、ダメ上司を動かすのです。

私が思うに、いまの日本に多い「ダメ上司」には3タイプあります。

1つ目は自身の能力のなさを棚に上げて、「ポジションパワーにすがる」タイプ。自分の能力が足りず、うすうす「俺、いらなくね?」と気づいているけれど、断じてそれを認めたくない。だから部下からなめられないように、ことあるごとに上司の権力を振りかざすのです。パワハラ上司にもなりやすいタイプですね。

2つ目は「自己保身」タイプ。現代はデジタル化などに伴い、ビジネス環境は大きく変化しています。そうなれば当然、求められるスキルセットも変わります。しかし50代ともなると、変化についていけない人も多く、いわば「変わりたいけど変われない症候群」。最も多いタイプかもしれません。

仮にこういう人がトップを務める部門を閉鎖する計画が持ち上がったとしましょう。次の日には50ページにもわたるパワポの資料を作って「なぜこの部門が必要か」を訴えるのがこのタイプです。自己保身のためなら周囲の足を引っ張っても何とも思いません。

3つ目は「政局上司」タイプ。仕事より社内政治にばかり関心がある人たちです。会社全体の成長は二の次で、自分の属する派閥の利益が第一。「敵に手柄を立てさせてなるものか」とばかりに、敵対派閥の人がやることは片っ端から反対する。このタイプは少なくなったものの、まだまだ絶滅していません。会社を改革しようとするときによく反対勢力になる人たちですね。

【図表】できない上司3つのタイプ