「なるべく早く」と言われても「確認してお返事します」

具体的な例を挙げてみましょう。上司から電話がかかってきました。

精神科医Tomy『精神科医Tomyのほどほど力 全力投球は、もう卒業よ』(だいわ文庫)

「今新しい企画が必要になってね。企画書を新しく書くことはできるかい」
「はい、確認してからお返事しますね。他の仕事がだいぶ立て込んでいて」
「わかった、なるべく早く返事を頼むよ」

こんな感じです。いわば「時間稼ぎ」です。この形であれば一旦は引き受けていますのでNoと言ったわけではない。Noと言えないアナタに向いている方法だと思います。さらにこの言い方でも気になるようであれば、返事の期限をつけて回答してください。

「わかりました。今日中にお返事しますね」

といった感じです。引き受けるわけではないにせよ、責任感のある感じが出てきます。そして、時間差を設けてから返事をする。

この場合、少しでも負担に感じるなら、断ってもいいです。断りたくない場合でも、時間を置いてから返事をしてください。必ずこのお預かりする過程を挟むようにしてください。

どんな依頼も二つ返事で受けてくれるイメージを崩す

そうすると相手からすれば、たとえ断らなかったとしても、以前のアナタより気軽に物事を頼める存在ではなくなっています。場合によっては「あ、それ○○くんに頼んでおきました」なんて言われることもあるでしょう。それでもいいのです。

人は学習をする生き物です。学習したつもりがなくてもです。今までのアナタは、どんな依頼でも即答で引き受けてくれると周りが学習してしまっています。だから次々頼まれるのです。

そのパターンを崩せば周りは「ああ、この人はすぐに仕事は引き受けてくれないかもしれない」「この人は今忙しいんだな」という学習をしてくれるのです。

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