ペプシがシェアを落とすなか、着実に順位を詰めた

ドクターペッパーはライバル勢を相手に、着実に順位を上げてきた。

1990年代後半から昨年までの推移を見ると、コカ・コーラが常勝している。データ分析サイトのビジュアル・キャピタリストが掲載する5年ごとのデータによると、コカ・コーラのシェアは常に20%前後で推移しており、最も落ち込んだ2015年でも18.7%を確保している。

一方、目立つのはペプシの減少だ。1995年に15.0%あったシェアは、2020年までにかけてほぼ一貫して下降。2020年に8.7%、2023年には8.3%まで落ち込んだ。それでも全期間を通じて2位の座をほぼキープしたが、ダイエットコークがシェアを伸ばした2010年には、一時的に2位を明け渡すシーンもあった。

これに対し、じわりとシェアを広げているのがドクターペッパーだ。

2000年のシェアは6.3%にすぎず、上には1位のコカ・コーラ、2位のペプシ、3位のダイエットコーク、4位のスプライトが立ちはだかっていた。しかし、2005年に5.7%までシェアを落としたあとは、2010年(6.5%)、2015年(7.2%)、2020年(8.0%)と順当に拡大。2023年には8.3%にまで達した。

もっとも、伸び幅では2020年比で2.0ポイント増に留まる。だが、近年シェアを縮小するペプシやダイエットコークを尻目に、成長株のスプライトと並んで着実に人気を高めてきた。いまやドクターペッパーはペプシを抜き、アメリカで飲まれている炭酸ドリンクのおよそ12杯に1杯を占める。

独自のフレーバーと個性が若年層に支持されている

人気は若い世代に広がる。グリニッジ・キャピタル・グループのマネージングディレクターであるアンドリュー・ディッコウは、記事に対し、「ドクターペッパーは効果的なマーケティングキャンペーンを通じて、独自のフレーバーと個性を強調しており、特に若い世代に共感を呼んでいる」との見方を示した。

USAトゥデイ紙が掲載するデータによると、2023年のアメリカの炭酸飲料ブランドの市場シェアは、1位・コカ・コーラ(19.2%)、2位・ドクターペッパーとペプシ(8.3%タイ)に続き、4位・スプライト(8.1%)、5位・ダイエットコーク(7.8%)となっている。以下、マウンテンデュー、コカ・コーラ ゼロ、ダイエットペプシ、ファンタ、カナダドライ ジンジャーエールの順だ。

ダイエット系飲料が中堅どころを占め根強い人気を誇る一方で、やはりドクターペッパーの2位入りが目を引く。