地球環境にも良い野菜くずの有効活用法

○家畜の飼料

野菜くずを乳酸発酵させて豚や牛などの家畜の餌に転用する取り組みです。事前に畜産農家と契約して、受け入れの準備を整えておく必要があります。この受け入れた餌は、豚や牛などの家畜の栄養補給に活用されます。

○野菜だし

野菜くずを利用して植物性のだしパックを作る取り組みです。野菜の皮や芯には旨味成分が豊富に含まれており、これらを組み合わせて使うことで、無添加でもおいしいだしが作れます。質の高い調味料として、食品の味付けや調理に安心して利用できます。

○分解可能な食品用容器

野菜くずを裁断・攪拌かくはんし、でんぷんを加えて成形して食品容器を作る取り組みです。この容器は使い終わった後、微生物によって分解され、自然界に戻ることが可能です。プラスティックと同じような性能があり、電子レンジでの加熱や水で洗うこともできます。

梅田みどり『野菜ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)
○バイオマスカーボン

野菜の廃棄部分を使って炭に変換し、バイオマスカーボン素材を生成します。これを土壌改良剤として使うことで、有機栽培で作物の成長を助け、自然の好循環を作ることができます。バイオマスカーボンは、宇宙産業や自動車、建築、風力発電など、様々な分野での利用が期待されています。

これらの取り組みは、食品加工現場から出る野菜くずを有効に活用し、資源の再利用や廃棄物を減らすために役立っています。野菜くずの有効活用は、単なる廃棄物処理のコスト削減だけでなく、地球環境にも良い影響をもたらします。

しかし、まだ再利用される量は少なく、多くの現場で取り組むには時間がかかりそうというのが現状です。

関連記事
【第1回】「野菜ジュースは体にいいのか」の最終結論…市販商品を買う際に必ず見るべき"パッケージの表記"
これを食べれば「錆びない体」ができる…医師・和田秀樹が「生」で摂取すると効果的と説く"野菜の名前"
パンと白米よりやっかい…糖尿病専門医が絶対に飲まない"一見ヘルシーに見えて怖い飲み物"の名前
「赤いネット入りのミカン」には要注意…15年間フルーツ中心の食生活を続ける男が解説「正しいミカンの選び方」
漢方薬の飲み過ぎで「大腸が真っ黒」になる…医師が「副作用に注意すべき」と警鐘を鳴らす漢方薬の名前