視野を広げて本以外も目にいれることで過剰な集中を防ぐ
〈2:読書している部屋(風景)全体を意識しながら読む〉
目の前の本からも離れて、立体的に、空間的に、より広く「分散」させていきます。
読みながら、本の角や本を持っている自分の手を意識してみてください。
さらに、本の向こう側まで、周辺視野を広げていきましょう。
ぼんやりと見えている、机、壁、窓、照明器具、時計、天井など、視野に捉えられる範囲のものを感じながら読書します。
机の上にはコーヒーカップが見えるかもしれません。時計は何時を指しているでしょうか。窓の外を桜の花びらが舞っていることもあるでしょう。
「本に集中できない」と思うかもしれませんが、それが狙いです。
視界が捉える様々な事象に意識を向けることで、本への過剰な集中を回避していくイメージです。
空間把握を司る頭頂葉を刺激し、左脳優位の読み方を壊していきましょう。
〈3:聞こえる音に耳を傾けながら読む〉
目の前の本に集中するのをやめて、その場に聞こえてくる音に耳を傾けながら読書してみましょう。
静かな環境でも、耳を澄ませばさまざまな音が聞こえてくるはずです。
部屋の中の空調や、冷蔵庫の稼働音が聞こえませんか?
外からは、鳥のさえずり、子どもたちの笑い声などが聞こえてきませんか? よく耳を澄ませば、それまでは気づきもしなった遠くを走る電車や自動車の走行音が、かすかに聞こえてくることもあるでしょう。
「視覚」だけでなく「聴覚」も動員して意識を分散していけば、ますますリラックス状態になり、左脳のおしゃべりがやんで、右脳が機能し始めるのです。
聴覚に意識を分散させるために、ラジオやテレビ、動画などの音声を流しながら読書するのも有効だといえます。