読書はどれだけ速く多くを読んだかより、どれだけ深く多くを得ることができるか。速読だけでは十分ではない理由がここにある。単に情報を得る読み方と思考レベルを上げる読み方は異なる。論理的思考力が強力な武器になるビジネスパーソンに必要な読書法は――。

「速読」は、本を速く読むのではない

ビジネスパーソンなら本やレポートを素早く読みたいというニーズは、多かれ少なかれ持っているだろう。それだけに、世の中には「速読法」や「速読術」と銘打った書籍やセミナーがかなりある。そこには「新書1冊を20分で読む」とか「1日に10冊読破」といった、信じられないようなキャッチコピーが書かれている。

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今回編集部の依頼で、「速読トレーニング講座」を受講することになった。そこで「速読講座」を検索をしてみると、いくつもの講座が出てきた。そのなかで“一日集中”が目に留まった有料講座に申し込み、2万円の受講料を振り込んだ。

すると、事前にトレーニングDVDと簡単なテキストが送られてきた。事前勉強して驚いたのは「速読は黙読のスピードを何倍にも上げるのではない」ということだ。まして、斜め読みや飛ばし読みではなく、本を速く読むためには、集中力を向上させ、見る、あるいは見る力を強化し、理解力、記憶力を鍛えるのだという。それによって黙読なら1分間400~600字を、3倍の1200~1800字読めるようにするのである。