意識を分散させれば脳が瞑想状態になる

オープンマインド・リーディングをすると、脳の全部位にまんべんなく刺激を与えることができます。

ヨンソ(著)、伊藤吉賢(監修)『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)
ヨンソ(著)、伊藤吉賢(監修)『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)

すると脳は思考ノイズが鎮まって、よけいな空回りをしなくなり、ある種の「瞑想状態」になっていると私は考えています。究極の「リラックス状態」です。「読む」という行為1つに集中するのではなく、さまざまな方面に意識が「分散」している状態ともいえるでしょう。

最新の脳科学の研究では、脳が瞑想状態(脳波がリラックスしているときに示すシータ波の状態)になると、情報処理の効率が上がり、高速で入ってくる情報を無理なくキャッチできるようになると報告されています。

このようにオープンマインド・リーディングは、右脳のアクセルを全開にし、脳の使い方をシンプルにする読み方なのです。

もちろん、これらの手法はすべてを同時には行えません。時と場合によって手法を選択するのがよいでしょう。

1つずつ試していきながら、最終的にさまざまな手法を同時並行で行うようにしてみてください。

普段の読書でも、ここで紹介するコツを無意識に実践できるようになれば、読書スピードは今の4倍を超えるでしょう。

合言葉は、「気楽に」「テキトーに」「がんばらない」です。

〈1:本のページ全体を視野に入れて読む〉

本の文字に視線を集中させるのではなく、周辺視野に意識を分散させ、ページ全体を視野に入れながら読むようにします。

目を本に近づけすぎず、30〜40センチほど離した位置にすると、ページ全体を感じながら読みやすいです。

ページ全体に意識を向けるのが難しければ、最初のうちは読んでいる行の次の行、そのまた次の行くらいまで「眺める」意識を持つと良いでしょう。それに慣れてくると、ページ全体に意識を向けやすくなります。

意識を向けるとは、内容をインプットすることではありません。「なんとなく視えている」くらいで問題ありません。

狙いは、「一点に集中」するのではなく、四方八方に分散させること。すると、先に書かれていることまで広く「先読み」でき、直感が100%働き出すようになります。