読書スピードを速くするにはどうすればいいのか。速読スクールを運営するヨンソ氏は「集中して文字だけを追う読み方は実は効率が悪い。音や匂いなどに気を散らせたほうが、脳の情報処理効率が上がる」という――。
※本稿は、ヨンソ(著)、伊藤吉賢(監修)『らく速読 脳科学が証明した世界一カンタンですごい読書術』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
頭の中で音読する読書方法は脳に負担が大きい
オープンマインド・リーディングとは、「左脳のブレーキを解除して、右脳のアクセルを踏む」読み方を実践するための手法です。
一般的に、音読によって本を読んでいる人は、脳の様々な部位に負担をかけて読んでいます。それでは、思考ノイズや脳疲労が邪魔をして、右脳のパワーを引き出すことができません。
いわば脳が閉じた状態が、一般的な音読による読書なのです。
そこで、オープンマインド・リーディングの出番です。閉ざされた脳を「開いて」、右脳の力を開花させる読み方です。
オープンマインド・リーディングでは、脳を構成する4つの部位(前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉)に同時に刺激を与えます。
それにより、従来の脳全体を使った読書法から、右脳中心の、無駄を省いたシンプルな読書法に切り替えることを目指します。
継続すれば、効率よく読書できるようになるモーターラーニング(運動学習)が起こりやすいと考えています。
本記事では、オープンマインド・リーディングの手法のうち「(1)本のページ全体を視野に入れて読む」「(2)読書している部屋(風景)全体を意識しながら読む」「(3)聞こえる音に耳を傾けながら読む」「(4)衣服や気温、においや味に注意を向けながら読む」「(5)上級編・メタ認知で読む」の5つについて紹介します。