「ロット乱し」が嫌われる理由

そして、二郎系の大きな特徴は、店内ルールによる高回転の維持です。

オーダーの際に「ヤサイマシニンニクアブラカラメ」など、呪文を唱えるようにトッピングを伝えることが求められ、何も知らない新規の人は混乱します。

店によっては「ニンニク入れますか?」という質問が「野菜や脂の量、ニンニクの有無を指定してください」を意味することもあり、「はい/いいえ」で答えてしまった人は冷ややかな視線を浴びることもあります。

行列が前提のため、一定のペースで次々ラーメンを作る店もあります。

その場合、座っている客が次のラーメンを出すまでに食べ終わることが前提のため、ゆっくり食べる人がいた場合は、席が空かずに次のラーメンを出せません。

これを「ロット乱し」と呼ぶそうで、一部の行列が途切れない店では、好ましくないこととされているそうです。

このように、二郎系は新規客のハードルが高く、リピーターが来客の大半を占めています。これはたいへんよくできたビジネスモデルで、回転率を高く保てるために、原価率が高くても利益が残るしくみになっています。

トリュフや和牛を使ったラーメンも

続いて、素材に徹底的にこだわった高級志向のラーメン屋で考えてみましょう。

高級地鶏やブランド豚を使い、有名ガイドブックの星を獲得するような名店です。

こちらは、もともと和食やフレンチの料理人だった人が転身して、店主になることも珍しくありません。長年の経験で培った技術と食材の目利きを応用し、大衆店とは一線を画したラーメンを提供します。

それぞれ店によって作るラーメンはまったく違います。

共通するのは、使っている素材の産地やブランドを前面に押し出し、高級感を感じさせる1杯になっていることです。

トリュフや和牛を使ったラーメンもあります。

写真=iStock.com/Liudmila Chernetska
トリュフや和牛を使ったラーメンも(※写真はイメージです)

品質が高いのは商品にとどまらず、内装や器も美しく統一感があり、隙のない店舗になっているパターンが多いです。