このところ数字が厳しいメンバーがいる

【川村】また、つもり……ですか。まあ、いいでしょう。今朝のミーティングでは、先ほどおっしゃったように、業績と活動の結果報告、そのあと今週のヨミをやっていましたね。

【香坂】はい。

【川村】今週のヨミの確認をしているところは、かなりビリビリした空気感でしたね。僕もちょっと逃げ出したくなったくらいですよ。ハハハ。

【香坂】やっぱり期末ですし、緊張感を持たせたかったので。川村さんもそうだったんじゃないですか?

【川村】いやあ、それが期末が近づくほど、支社キャンペーンで盛り上がっていて、メンバーと一緒に毎週爆笑していましたよ。

【香坂】……。

【川村】ところで、その緊張感を持たせるために、あの一人のメンバーに厳しくあたっていたんですか?

【香坂】ああ、堺のことですか。

【川村】確かに彼女の数字はこのところ厳しいようですが、先週も一週間ずっと、サボりっぱなしだったんですかね?

【香坂】いえいえ、そんなことはありません。

毎晩一番遅くまでオフィスに残って勉強していた

【川村】彼女はどんな活動をしていたんですか?

【香坂】午前中からお昼までは毎日、飛び込み営業を続けていました。

【川村】なるほど、他にはなにかやっていましたか?

【香坂】午後はオフィスに戻ってきて、過去に取引のあった引き継ぎのお客様をリストアップして、毎日、片っ端から電話をかけていました。

【川村】なるほど、なかなか頑張っていましたね。他にはなにかやっていませんでした?

写真=iStock.com/kazuma seki
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【香坂】夜は一発逆転を狙って法人へのアタックをするために、先輩から教えてもらったり専門書で勉強したりして、毎晩一番遅くまでオフィスにいたようです。

【川村】堺さんって、すごく頑張り屋さんなんですね。

【香坂】……。

【川村】いまの話を聞いて僕はそう思っただけなんですけど、香坂さんのチームでは、そのくらいやるのが当たり前のことなんですか?

【香坂】朝昼の飛び込みや夕方の訪問などは、みんなが当たり前にやっていますけど、引き継ぎのお客様に毎日連絡し続けたり、夜に法人営業の勉強を継続したりしているのは、うちのオフィスでも彼女しかいないと思います。

【川村】堺さん、いつか大化けしてくれそうですね。

【香坂】……そうなってくれたら、こっちも苦労はしないんですけど。