日本のブルーオーシャンは「高価格帯のマーケット」
そして、日本の高価格帯のマーケットは、まだまだ日本ではブルーオーシャンだと思っています。チャンスがたくさんあるということです。
ロンドンのメイフェアにある高級レストランの中には、1店舗で年商80億円を売り上げるところもあります。月に6億円から7億円。1日2000万円です。
世界には、ハイエンドなレストランがたくさんある一方、日本にはまだほとんどない。WAGYUMAFIAはその一端に踏み出すことができたのです。
カツサンドも最初、1000円と2万円のバリエーションから始めましたが、その後は5000円から始まり、ドライエイジングの神戸ビーフカツサンドは3万5000円。兵庫県畜産共進会、いわゆる神戸牛チャンピオンシップ大会で最優秀賞を受賞した和牛のカツサンドは10万円です。
それでも買ってくれる人がいる。
ハイエンドの市場を作ることで生産者と一緒に成長できる
ハイエンドの市場を作り、マーケットを広げることは、生産者から安定して買い付けができることにもつながります。そのためにも、海外展開をする一方で、やはり国内のWAGYUMAFIA、MASHI NO MASHIの店舗を拡大していかなければいけないと思っています。
最も高価な和牛を海外に輸出できれば、和牛の関連商品も一緒に売れていきます。WAGYUMAFIAで使っている調味料や米などの食材をはじめ、海外の店舗で使う特注の器も、僕たちがキューレーターや作家と話し合いを重ねて、いいものを買って海外に広めたいと思っています。
徹底的に見えないところにこだわる。高いものが売れるから、高い素材や器もともに売れる。
かつて、日本でも有名なフレンチの巨匠アラン・デュカスから、「日本食が日本の食材と連携できていない」とアドバイスされたことがあります。それが少し進化して、WAGYUMAFIAのスタイルになりました。これもまた、WAGYUMAFIAを、誰にもまねのできないものにする戦略のひとつです。